LITTLE CAROL

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[2020/08/30]思い出の発掘

最近MDウォークマンを発掘しました。

外出自粛が求められた今年の春夏、おうち時間を自宅の整理に充てた人が多かったそうです。
例にもれず私の実家もそうでした。

最初に本体と数枚のMDが見つかり、コントローラー、単三電池用のアダプターが物置と化した部屋の中から日を変えて順々に見つかったので、正に“発掘”と呼ぶにふさわしいでしょう。

そもそも私は音楽を静かに聞くことが得意ではありません。
運動音痴なのにスポーツ観戦に熱が入ると、自分が選手になったかのように体を動かしたくて体がむずむずするのです。
音楽となると黙っていることはできません。
知っている曲は歌いたくなってしまうのです。
それなのになぜMDウォークマンを買ったのか。
それは、音楽を聞きながら勉強している人や、イヤホンをつけて電車に乗っている人に憧れていたからです。

とはいえ、勉強中にカラオケ大会になってしまっては意味がありません。
なので、邦楽を避け、器楽を好んで聞いていました。
最初は実家にあったCDからルロイ・アンダーソン、アーロン・コープランド、レナード・バーンスタインの3枚をひたすら繰り返し聞いていました。
しかしそれだけではさすがに飽きるというもの。
新しい音楽を求めて図書館に行きました。
母曰く、子供のころ「となりのトトロ」のセリフをすべて覚えていたという私は、それなりにジブリ好きです。
どんな曲を聞きたいかと思ったとき、真っ先に思い浮かんだのは「アシタカとサン」、そして「Summer」でした。
そこで私が検索コンピューターに入力したキーワードは「ヒサイシジョウ」でした。
「私は彼のピアノ曲が好きなのかな」と自己分析した結果、借りたCDがpiano stories IIというアルバム。
録音したMDの定位置が、ほぼウォークマンの中となるほど、お気に入りの1枚になりました。

MDウォークマンと共に自宅に持ち帰ったMDはもちろんpiano stories IIです。
機械いじりの好きな夫にMDウォークマンを発掘したことを自慢すると「それ、聴けるようにしてあげるからちょっと貸してごらん」と取り上げられてしまいましたが、しばらくしてスピーカーから流れだした音楽で一気に思い出が解凍され、胸がいっぱいになりました。

そこで1曲リクエスト。
「ねえ、この曲聞いたことない?」と夫に聞くと「あー…ん?あれ?これ、リトルでよく聞く曲か」

今では先輩方のつけてくださった歌詞でしっとり歌うWhite nightですが、元はこのアルバムに収録されている器楽なのです。
中間部などジングルベルがシャンシャンいうノリのいいところもある曲です。
クリスマスプレゼントをショーウィンドウに飾るお店が並ぶ、イルミネーションでキラキラした商店街で「帰ったらクリスマスディナー準備してくれてるかな?楽しみだな~」なんて思いながら、スキップして帰るような…
曲の最後は、夜空の上空をサンタさんが通り過ぎるような…
この曲をそんな風に感じていたことをすっかり忘れていました。
リトルキャロルのWhite nightしか聞いたことがないという方はぜひ原曲も聞いてもらいたいです。(って、もしや少数派ですかね?)

今年、私がリトルキャロルに参加するようになって10年が経ちました。
さらにその2年前、演奏会でホールのお手伝いをしたときのリハーサルで初めてリトルキャロルのWhite nightを聞きました。
まず思ったのは「ずるい!」
だって器楽だから鼻歌でしか歌えなかったのに、歌詞をつけて歌ってるんですもの。
そして思ったのは「私も歌いたい」でした。
その後、縁あってメンバーに誘っていただいて、そして元の曲を忘れるくらい歌わせてもらって。
昨年、麻衣ちゃんの海外公演にお供させてもらったときに、「アシタカとサン」含むジブリ映画の音楽も何曲か歌わせてもらって。
改めて自分は幸せ者だなぁと実感したSummerでした。

今年は紀尾井ホールでの演奏会はありませんが、来年も参加できるよう育児に、家事に、仕事に精を出したいと思います。

A.K

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